「床材だけは、高くてもじょうぶなものにしておいた方がいいと思いますよ」
毎日踏むので、傷がつきやすいところだから、と。
それに従う。
見積もりを出してもらったところ、材料費、工事費、運搬費込みで、三十四万五千円ほどだった。
内訳についてもう少し言うと、床材が十万八千円、天井と壁に張るクロスが約八万五千円。
このふたつで半分以上を占める。
その他で比較的大きいのは、もとの床材やクロスをはがしたりクローゼットをつぶす施工費と処理費で四万二千円、床の施工費が三万五千円。
ヨダさんに話したら、
「へえ-、リフォームって、壁をぶち抜いたりとか大がかりなことしなければ、思ったより安いんだね。
私もやろうかな」
私も、リフォームというとなんとなく百万円単位のイメージがあったが、ものによるのだ。
工期は四日間、三月十八日から二十一日と決まった。
引っ越しから一か月、いや、はじめて不動産仲介会社に足を踏み入れてからでも二か月しか経たないうちに、リフォームという展開になっているのが、自分でも信じられない。
事前に彼が
「工事請負契約書」
なるものを作成してきて、わが家において、調印した。
「え-、乙は工事に支障を及ぼす天候の不良あるいは天災その他乙の怠慢にあらざる事由により、工事期間内に工事を完成することができない場合は、遅滞なく甲にその理由を申し述べ、工事期間の延長を求めることができる」
「はい」
「この契約に定めていない事項は、必要に応じ双方協議して定め、甲と乙は互いに対等な立場で協力して信義を守り、誠実にこの契約を履行する」